ホームセンターや園芸店で多肉植物を見ていると、名前が書かれた名札がついていなかったり、「エケベリア」としか書かれていないものをよく見かけませんか?
今回は、そんな「札落ち」の意味や管理方法にくわえ、アルファベットや記号が並んでいて難しい「多肉植物の札の読み方(交配式や略語)」を初心者向けに解説していきます。
専門用語の辞書代わりに、ぜひ参考にしてみてくださいね。
多肉植物の「札落ち」とは?
多肉植物における「札落ち(ふだおち)」とは、品種名が書かれた名札(ラベル)がなくなってしまい、正確な名前がわからなくなってしまった状態のことです。
もともと札がついていなかったり、「多肉植物」「エケベリア属」とざっくりとした表記しかされていないものも、総称して札落ちと呼ぶことがあります。
札落ちでも大丈夫!名無しとしてかわいがろう
「名前がわからないと、育て方がわからなくて枯れてしまうのでは?」「偽物なのかな?」と不安になるかもしれませんが、全く問題ありません。
札落ちしてしまった品種に関しては、園芸ショップのスタッフさんやプロの多肉農家さんでも「見た目だけで正確な品種を当てるのは不可能」と言われています。
わからないものはわからないものとして、「名無しちゃん」として潔く管理していくのが一番です。育てる楽しさや可愛さは、名前があってもなくても全く変わりませんよね。
自分でオリジナルの管理ラベルを作ってみよう
名前がわからない子には、「お迎えした日付」や「買ったお店」を印字したオリジナルの札を挿してあげるのがおすすめです。
ラベル(札)を自作したい!という場合は、私も愛用しているラベルプリンター「ピータッチキューブ」がすごく便利です。売り物みたいにすてきなオリジナルのラベルが作れますよ。
スマホでサクッと作りたい方

パソコンでこだわりたい方

【基本編】多肉植物の札(ラベル)の読み方

ここからは、実際に名前がついている多肉植物をお迎えした時の「札の読み解き方」を解説します。生産者さんやショップによって書き方は異なりますが、基本のルールを知ると一気に面白くなりますよ!
多肉の鉢に挿してある、この札ですが、生産者さんやショップによって大きさや素材、書き方も異なります。なので、ここでは基本的な部分をご紹介します。
交配式は「母親 × 父親」の順番
基本的に、最初に書かれている品種が「雌しべ(母親)」、×(クロス)の後に書かれているのが「雄しべ(父親)」です。 「×」はバツや掛けるではなく、「クロス」と読みます。

例えばこの札だと、アビカンス(母親)とピーコッキー(父親)の交配種ということ。最後に「セッカ」とあるのは、成長点が帯状に繋がる「綴化(てっか)」であることを意味しています。
小文字スタートか、大文字スタートか

「lilacina」のように頭文字が小文字ではじまっている場合、それが原種であることを示しています。交配種(人の手で掛け合わされたもの)の場合は、大文字からはじまるルールになっています。
これってどういう意味?多肉植物のラベル略語集
札によく書かれているアルファベットの略語をまとめました。
E.

エケベリア属であることを示しています。Echeveriaとフルで書かれていることもあります。
SP

上で参考にした優木園さんの札を例に。species(種)の略です。原産地や名前が不明のものに付けられていることが多いです。SPの後ろの「ノバ」はラテン語でNEW(新しい)という意味。sp.nov.と書かれていることもあります。
ただ、SPノバは古い書き方になるようで、現在、ザラゴーサはクスピダータになっているとのこと。
var.

variety(変種)の略です。ちなみに、この札がついていたエケベリアはこちらです。

実・(実)

実生(みしょう)であることを意味しています。葉挿しや、挿し木ではなく種から育った、ということですね。
fa.・f
forma(品種)の略です。斑入りや、綴化種のうしろに付けられていることがあります。

R・(R)
round(ラウンド)の略で、丸型ということを示しています。全体のフォルムのことなのか、葉のかたちのことなのか……?

E.pulidonis,Veracruz(R)はプリドニス,ベラクルス(ベラクルス地方のプリドニス(ラウンド))ということですね。
以下、手持ちの札がなかったんですが、よく見かけると思われる札用語を載せておきます。
hyb.
hybrid(交配種)の略。
ssp.
subspecies(亜種)の略。
cv.
園芸品種のことです。原種から選抜や交配して作出された品種になります。
栽培品種名は「国際栽培植物命名規約」に則ってつけられているようです。園芸店などでみかける「'〇〇'」(シングルクォーテーション)で囲って表記している札がそれですね。

例えば、花うらら(プリドニス)と月影(エレガンス)をクロスして日本で生まれた「花月夜」は「Echeveria 'Hanazukiyo'」と表記されます。エケベリア属の栽培品種「花月夜」と言う意味ですね。
ただ、花月夜はCrystalという呼び方もするので、シノニム(別名)として「Echeveria 'Crystal'」と表記されていることもあります。花月夜は日本生まれなので、「Echeveria 'Hanazukiyo'」としたいですね。
【おまけ】知っておきたい!多肉植物の部位・状態の名称
最後に、タニラー(多肉好き)同士の会話やブログでよく使われる、各部位の名称や状態を簡単にご紹介します。
ロゼット

まず、みなさんが必ず注目するロゼット。花のようにみえるのは、多肉の葉で(そんなこと知っとるわ!)まるで花びらのように重なる部分、その様子のことをロゼットと呼びます。
パウダー(白粉)

葉の表面についている白い粉のことです。
赤い丸でかこった部分はパウダーが取れてしまっている状態です。指でさわったり、なにか当たったりすると、取れてしまいます。時間が経てば復活するようですが、買うときには触らないようにしましょう。
キール(肩)

葉の裏側にある、うっすらと縦に入った線(折り目や筋のようなもの)のことです。「肩」と呼ぶこともあります。
まとめ:札の基本を知って、多肉ライフをもっと深く!
多肉の札には、和名や交配式、学名など様々な情報が記載されているので、慣れないうちは「なんのこっちゃ?」となりますよね。でも、基本を知ることでだんだんと読み解けるようになっていくので、ちょっと賢くなった気分になれます(笑)。
名前がわからなくなってしまった「札落ち」の子も、交配が記されたエリート株も、どちらも大切な多肉植物に変わりはありません。それぞれの個性を観察しながら、楽しく管理していきましょう!
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