【SUNO】曲をつくれるAIでいい感じのテクノポップができたのでスタイルを公開

最近SUNO(スノ?スノー?)という音楽をつくれるAIツールにハマっています。

もともと音楽が好きなわけで、ハマらないわけがなく。そんなこんなで先日公開した曲「First light」のTeaserがこちら。

動画:Higgs field

作ってくれたのは、ビジュアルデザイナーのナツさん(@coffeetime2022)どうよ?この透明感あふれるかわいこちゃん。

曲のフルバージョンはこちら

ただ、今回お伝えしたいのは、「First light」の曲構成についてなんです。

まずは、以下を聴き比べてみてください。

スタイル指定のみ→First light

プロンプト指定あり→First light

スタイル指定のみの曲も悪くないんですが、メリハリがなく、どこか間延びした感じ。ワクワク感も足りない。(よね?)

曲は生成するたびに変わる(ガチャ)ので、ご了承ください。歌詞は同じです。

というわけで、これ需要あるの?って感じですが、今回の曲構成などについて忘備録もかねて書いておこうと思います。

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「First light」の曲構成をみてみる

聴き比べ用に置いておきますね。

スタイル指定のみ→First light

プロンプト指定あり→First light

構成と歌詞を照らし合わせながら、さらにざっくりとした解説も交えて説明していきます。

というわけで、以下は歌詞。完全にルー大柴ですが、ナツさんから盛大なダメ出しをもらって完成しました。結果、これが大ハマリ。

[Intro]
ネオンサイン blink-tick
ワンタップで city grid click

[Verse1](Aメロ)
0.5ミリのスケジュール 息を削る night
消えた tomorrow 街は shuffle & bite
シフォンの cloud が 肩から slide
終電 skip して ループの inside

[Pre-Chorus](Bメロ)
ブルーの lash, electric flash
カールほぐれて midnight crash
飴細工みたいな crystal sweet
透けるトーン 心に melt-beat

[Chorus](サビ)
Play と work borderless wave
カード罰ゲーム tequila says “hey”
サングリア sky が ビルを paint bright
First light— oops, still kiss the night

[Verse2]
ポートフォリオ=me mirror vibe
手作り名刺 glass に hide
眠気 push out 輪郭 carve
突然ひらく 夜の arch

[Pre-Chorus2]
紫陽花の scent reason drift
屋上 edge で laugh が shift

[Chorus]
Color と duty mellow mix
タンク越し sunrise fix
サングリア haze が Tokyo melt
First light— kiss the night we felt

[Bridge]落ちサビ/転調
魔法 dissolve first train hum
VIP shine < bathtub warm
(so warm, so calm)

[Final Chorus]
遊びも job も borderless vibe
静かな bliss を 胸に inside
サングリア memory eyes ignite
First light— kiss the city light

[Outro]フェード or キメ (任意)
紫陽花 sway dawn walk home
ヒールの click-click future tone
“またね” と wave sun へ dive
夜明けの道 still alive

[End]

※Endがないと最後、曲がダラダラ続いてしまうことがあるらしいです

この歌詞のもとになった文章はナツさんのこちらのnoteです。

note(ノート)
FIRST LIGHT|natu ヘアメイクという 特殊なお仕事の世界では 遊ぶことも仕事のうちだった気がする。 そんな私の20代、mixiで繋がり 最新機種はスライド電話だったあの頃のお話。 土日なんて...

歌詞を提供してもらえるのは本当にありがたい!実は結構苦手です。わざとらしくなるから。

で、今回プロンプトの参考にしたのは、分かる人にはわかるであろう、Perfumeのchocolate discoです。chocolate discoを再現するためのスタイルは以下。

Japanese technopop, sugary electro-disco, glittery 8-bit chiptune accents, punchy 128 BPM four-on-the-floor beat, bright detuned saw-synth leads, bubbly arpeggiated pads, crisp hand-clap fills, female group vocals, catchy candy-pop hook

実際にはここまでのスタイル指定は不要かも。むしろ複雑になってしまって、AIが言うことを聞いてくれない可能性もあります。

ただ今回は、このスタイルでいいのを出力してくれたのでそのまま「これだ!」っていう曲ができるまでガチャ(何度も生成を繰り返す)を回しました。

ちなみに、128 BPM(Beat Per Minute) とあるのは、曲の早さ。まあ、そこそこ早い感じ(雑)。

さらに、ここからが重要。以下は、細かいプロンプトです。

[Intro] 8 bars filter-sweep saw lead + arpeggio bells
[Verse1] 8 bars minimal kick & bass, whispered female vox
[Pre-Chorus] 4 bars open-hat lift, rising noise, clap build
[Chorus] 16 bars full beat, “Chocolate, chocolate, disco” chant hook
[Post-Chorus] 4 bars chiptune riff + vox stutter
[Verse-2] 8 bars return groove with extra synth chord stabs
[PreChorus2] 4 bars pad swell → white-noise riser
[Chorus2] 16 bars extended chant + call-and-response layers
[Synth-Break] 8 bars glitchy bit-crush lead solo, pitch bends
[Bridge] 4 bars half-time breakdown, reverb vox “suki da yo”
[Final-Chorus] 16 bars full energy, added octave-up lead, double claps
[Outro] 4 bars filter closing, bell arpeggio fade

パッと見ると、うげっ!となりそうですが今回の「First light」はこのプロンプトがだいぶ効いていると思っています。

一つずつ説明しますね!(聞いてほしくて仕方ない)

[Intro] 8 bars filter-sweep saw lead + arpeggio bells

ネオンサイン blink-tick
ワンタップで city grid click

キラキラしたベルの分散和音。だんだん高音が抜けていく“フィルター・スイープ(音を変化させる方法)”でワクワク感を演出。

  • saw lead=ギザギザ波形のシンセリード
  • arpeggio bells=ベル音でコードを1音ずつ分散して弾く

[Verse1] 8 bars minimal kick & bass, whispered female vox

0.5ミリのスケジュール 息を削る night
消えた tomorrow 街は shuffle & bite
シフォンの cloud が 肩から slide
終電 skip して ループの inside

キックとベースだけのミニマルなビートに、ややささやくような女性ボーカルが乗る。サウンドを絞って歌詞を聴かせるところ。

  • minimal kick & bass=ドラムはキック中心、余計な装飾なし
  • whispered vox=ささやき声(実際にはそんなにささやいていないけど)

[Pre-Chorus] 4 bars open-hat lift, rising noise, clap build

ブルーの lash, electric flash
カールほぐれて midnight crash
飴細工みたいな crystal sweet
透けるトーン 心に melt-beat

オープンハットが入って明るく抜けて、ノイズが上昇、クラップで“タメ”をつくる。サビ直前の盛り上げ区間。

  • open-hat lift=開いたハイハットで一気に高域を足す
  • rising noise=ヒューッと上がるホワイトノイズ

[Chorus] 16 bars full beat, “Chocolate, chocolate, disco” chant hook

Play と work borderless wave
カード罰ゲーム tequila says “hey”
サングリア sky が ビルを paint bright
First light— oops, still kiss the night

フルビート+反復フレーズ。曲の一番キャッチーなところ!

chant hook=掛け声タイプのリフレイン

[Post-Chorus] 4 bars chiptune riff + vox stutter

8-bitゲーム機っぽいメロとボーカルを刻む“スタッター”。サビの余韻を遊び心で延長。

  • chiptune riff=ピコピコ音
  • vox stutter=ボーカルを瞬時に切り刻むFX

曲の中でコーラス(サビ)の直前に位置する部分なんですが、なぜかこの位置(Bメロ)に配置されてしまっている(苦笑)

[Verse-2] 8 bars return groove with extra synth chord stabs

ポートフォリオ=me mirror vibe
手作り名刺 glass に hide
眠気 push out 輪郭 carve
突然ひらく 夜の arch

1番のグルーヴにシンセの「コード・スタブ」を追加して厚みアップ。

「コード・スタブ」っていうのは、短く打ち込まれるコードや、インパクトのある音で、要はアクセントみたいなものです。

[PreChorus2] 4 bars pad swell → white-noise riser

紫陽花の scent reason drift
屋上 edge で laugh が shift

パッド(ドラム)がふわっと広がり、ノイズがさらに持ち上げてサビへ。

  • pad swell=持続系シンセが膨らむ

[Chorus2] 16 bars extended chant + call-and-response layers

Color と duty mellow mix
タンク越し sunrise fix
サングリア haze が Tokyo melt
First light— kiss the night we felt

サビを延長して、コール&レスポンス層を追加。みんなで一緒に歌うイメージ!

  • call-and-response=主メロと返答メロ

[Synth-Break] 8 bars glitchy bit-crush lead solo, pitch bends

ビットクラッシュでザラついたリードがソロ。ピッチベンドでウネるテクノ風の間奏。

  • bit-crush=簡単に言うとローファイな音を出すこと
  • pitch bends=音程をコントロールすることでテクノっぽい感じを出している

[Bridge] 4 bars half-time breakdown, reverb vox

魔法 dissolve first train hum
VIP shine < bathtub warm
(so warm, so calm)

テンポ感を半分に落とし(ハーフタイム)、(so warm, so calm)を残響たっぷりに響かせる。緊張を一瞬解く。

  • half-time=体感、テンポを半分に
  • reverb vox=残響深めの声

[Final-Chorus] 16 bars full energy, added octave-up lead, double claps

遊びも job も borderless vibe
静かな bliss を 胸に inside
サングリア memory eyes ignite
First light— kiss the city light

最高エネルギー!サビにオクターブ上のリードと手拍子を倍増。

  • octave-up lead=1オクターブ上で倍音感を強調

[Outro] 4 bars filter closing, bell arpeggio fade

紫陽花 sway dawn walk home
ヒールの click-click future tone
“またね” と wave sun へ dive
夜明けの道 still alive

音を絞りながら、ベル(響き)を余韻を残しながらフェードアウト。静かに着地。

  • filter closing=高域を徐々にカット

補足用語メモ

  • bars(小節): 4拍=1小節が一般的。8 barsは32拍。
  • filter-sweep: 音の明るさを変える手法。
  • riser: サビに向けて音を徐々に上げていくSE全般のこと。
  • bit-crush: 解像度を落としてレトロゲーム的ザラザラ感を出すエフェクト。

とまあ、こんな感じで「静→動→静→大団円(フィニッシュ と段階的に加速して、最後にエネルギー全開で締める構成になっているんですね~!

はあ、楽しい。

曲ができるまでのざっくりとした流れ

まあ、AIのやることなので、すべてがきちんと反映されているかはわかりませんが、細かいスタイルを指示した曲とそうではない曲を再度聴き比べてもらえるとわかりやすいと思います。

もう一度どうぞ!

スタイル指定のみ→First light

プロンプト指定あり→First light

そしてこれらの作業、当然ながら人間の手でやるのは大変。ましてや、音楽の知識なんてたかがしれている私には無理な話しです。

そこでChatGPTの出番。

ざっくりの流れはこう。

STEP
歌詞をいただく・歌詞を書く

これかなり重要。なんならここが一番大事。いかんせん、曲が歌詞に引っ張られるので。

STEP
AIで歌詞を整える

チャッピーとひたすら壁打ち。そのまま使ってもいいけど、イメージしている曲に合わせて調整はしたほうがいいかな。

STEP
イメージした曲を分析

こんな曲にしたい!という曲をAIで分析する。

STEP
分析した曲と歌詞を合体させる

Aメロ、Bメロ、サビなど、分析した結果をもとに、歌詞と合体させていく。

STEP
SUNOでひたすらガチャ

ここからは運。

納得のいく曲がでるまで生成します。アップデートで編集も結構楽にできるようになったみたいだけど、このときはまだアップデートもきていなかったし、さわりはじめたばかりでよくわからなかったので、ひたすら生成しました。

ざっくりすぎて、あまり参考にならないと思いますが、「SUNO 曲 つくる」とかで検索すればたくさんヒットしますので探してみてください。

そんな感じで、今ハマっている音楽生成AI「SUNO」で作った曲の構成などについて解説してみました。

私のアカウントのTOP画面です。まだあまり曲はアップしていなんですけど、興味があれば覗いてみてくださいね~。

※クリックで私のSUNOに飛びます

今回協力いただいたクリエイターの方々

最後に、今回協力いただいたクリエイターの方々の紹介をさせてください。

私が直接ではなくとも、イラストや画像などの素材、歌詞の一部などたくさんの人の関わりによって曲と動画を仕上げることができたことに感謝しています。

ビジュアルクリエイターのナツさん

かわいい系からきれい系まで、デザインの幅が広く、CANVAの限界を超えたデザインを仕上げてくる強者です。

すてきな言葉を歌詞に使わせていただいたちゃいこさん。唐突なお願いだったにもかかわらず、快く(?)許可をいただきました。

↓この部分!

「飴細工みたいな crystal sweet
透けるトーン 心に melt-beat」

※歌詞は若干調整しています

Teaserの冒頭でナツさんが使った素材「ブラウン管グリッチ」のタツキさん

おかげでインパクトのあるTeaserになりました!

あじさい背景を使わせていただいた、しらいさん。いろんな素材を無料配布されていて、使わせていただいています!

動画で使わせていただいた、かわいこちゃんのイラスト。

このイラストの背景には、@omgt41 さんのプリズムと@kii_writer_ さんのグラデーションが使われているとのこと。一枚の画像じゃないんだ!と感激。

そして、このイラストをHiggs fieldで動かしたのがこちら。

クリエイターの皆さん、本当にありがとうございました!

この記事を書いた人

好き”も”仕事にしている3社掛け持ちの在宅パラレルワーカー。ブログ歴・在宅ワーク歴10年の猛者。多趣味で凝り性。無類の音楽好き。

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