コレクターというにはほど遠いんですが、うちにあるフィルムカメラで、ちょっと手に入りにくく、あまり知られていないニッチなカメラを紹介します。
- BOLSEY(ボルシー)La Belle Palバージョン
- SEM KIM(セムキム)
- CHINON(チノン) Bellami 馬車バージョン
- Эликон35С(Elikon 35S(35C))
- Boots Beirette B.L. Meritar 45mm F2.8
BOLSEY (ボルシー) La Belle Pal
Camera Type: Viewfinder
固定装着レンズは、ウォレンサック製のWollensak Anastigmat (ウォレンサックアナスチグマート)44mmF4.5。 距離は目測。
どうやら数が少ないらしくレアっぽいですね。海外のカメラwikiのようなところから「写真を使わせて欲しい」と依頼がありました。キャメル色のケースが女心をくすぐります。
レンズのところに「WOLLENSAK ROCHESTER」とあり、ボルシー社が1950年に買収した、ロチェスターレンズが使われています。その後ボルシーは3Mに買収され、1972年に倒産。デザインを売却したLaBelle社から「La Belle Pal」という名前で販売されたのがこのカメラです。
上部は、オフホワイトのベークライト仕上げで、La Belle Palの赤い文字がよく映えます。
LC-Aよりも重さがあり、見た目よりもずっしりな感じ。小さくて、手のかかる、まったくもって素敵なカメラ。
SEM KIM (セムキム)
Camera Type: Viewfinder
フランスSEM社のカメラです。第二次世界大戦後の1945年~1947年くらいまで製造、販売されていました。
固定着装レンズはAngenieux AnastigmatのCross。このAngenieuxのレンズが使ってみたくて、買ったようなものなんですよねえ。
この手の古いカメラにありがちな、F2.9/45mmという中途半端な数値も魅力の1つ。カラーフィルムより、モノクロフィルムで撮ったほうが雰囲気ある写真になるかもですが、カラーでもなかなかアンニュイな写りで好きです。
フィルムの装填、巻き上げがちょっと変わってます。ここでは割愛しますが、裏蓋を開けるのにちょっと苦戦しました。
とにかく小ぶりです。どこにでも連れて行けます。
この針穴みたいなところを覗いて撮影します。
CHINON Bellami (チノン ベラミ)
Camera Type: Viewfinder
まずなんと言っても、馬車のモチーフに目がいきます。デザインがあまり好みではなかったのですが、実際手にしてみて、その存在感と全体の美しいフォルムに感動しました。オークションで購入したのですが、大切にされていたようで、とにかく状態が良かったです。
実は、なかなか目にすることがないカメラで、特に国内仕様である馬車バージョンは数が少ないようです。輸出仕様(馬車のかわりに「CHINON Bellami」と書かれただけ)は比較的手に入りやすいようですが、それでも結構いい値段がついています。
レンズは銘玉と言われるチノネックスカラー35/2.8。フィルムの巻き上げレバーを右に巻くと馬車のモチーフ部分(レンズカバー)が観音開きして、中のレンズが現れます。少し力がいるので、最初は壊しそうでビクビクしながら操作してました(笑)
Эликон35С(Elikon 35S(35C))
Camera Type: Viewfinder
旧ソ連、BeLomo(ベラルーシ光学機械合同)社製で、1982年~1990年ごろまで製造されていました。500円くらいで手に入るカメラですが、使っている人はあまりいないと思います。
距離は1メートルから5メートル+無限大の目測式なので、慣れるまでに少々時間がかかりますが、いわゆるトイカメラと呼ばれるカメラを使い慣れていれば抵抗なく楽しめるお手軽カメラです。
レンズはINDUSTAR-95 38mm F2.8で、ロシア語でも記載されています。フラッシュの下にあるスライドスイッチをONにすると、フラッシュが作動します。
「ГОСТ」は英語だと「GOST」となり、フィルム感度の規格です。調べたところ、どうやらISO(ASA)とはまったく異なる規格のようでした。
以下、換算表をのせておきます。(参照:RAFCAMERA)
GOST/ISO | ASA | DIN |
---|---|---|
11 | 12 | 12 |
22 | 25 | 15 |
28 | 32 | 16 |
56 | 64 | 19 |
90 | 100 | 21 |
110 | 125 | 22 |
140 | 180 | 23 |
180 | 200 | 24 |
360 | 400 | 27 |
560 | 650 | 29 |
720 | 800 | 30 |
900 | 1000 | 31 |
1125 | 1250 | 32 |
2880 | 3200 | 36 |
この換算表でいくと、Elikon35SはISO25〜400(15-27°DIN)ということになります。
外観はミノルタのHi-Matic Sとよく似ていますが、真似したんでしょうか。
気になった底部のマークに関しては、FACTORY LOGOさんを参照しました。
いらっしゃるもんですね。こういうニッチな部分をまとめてくださっている方。(感謝です!)
「飛ぶ鳥」を表しているマークは、ビレイカ ゼニット工場のマークとのこと。
BeLomo製のZENITのボディーによく見られるマークらしいのですが、手持ちのZENIT122の底部にあるマークをみるとKMZ製ということがわかります。
参考カメラ:ZENIT122
Boots Beirette B.L. Meritar 45mm F2.8
Camera Type: Viewfinder
旧東ドイツVEBバイエル社製の輸出用カメラです。オークションにて500円くらいで購入しました。イギリスとメキシコでは「Boots Beirette」とリネームされて販売していたようです。(本国と共産国では「Beirette Vsn」と刻印して製造・販売)
ボディの左上にMade in D.D.R(Deutsche Demokratische Republik)の刻印がありますが、本国と近隣の共産諸国にはこの刻印はありません。
ちなみに「Boots」というのはイギリスの大手ドラッグストアの名称です。
参考サイト:https://en.wikipedia.org/wiki/Boots_UK
日本語での情報がほとんどなかったので、海外サイトを参照したんですが、
このカメラを出品した方も、きっと扱いに困っていたんじゃないかなと思います(苦笑)どういう経緯で手に入れたかも気になります。
完全なマニュアルカメラなので電池を使いません。ボディはプラスチックで、非常に軽く、お天気マークがかわいらしいので女性に受けそうな感じ。
シャッターはB, 1/30, 1/60, 1/125、レンズはルードヴィッヒ製のMeritar45mm/f2.8が付いています。Meritarのレンズは海外のサイトなどを見ると、酷評されていることが多く、クセ玉、ダメ玉と言われることもしばしば。
ただ、このカメラに付いているレンズは、そんなに言うほどのことはなく、よくあるトイカメラの写りです。45センチまで寄れます。実際にはもう少し寄れるかもしれません。
シャッターがレンズの横にあります。結構しっかりと押し込む必要があり、ボディが軽いので、気をつけないと手ブレを起こします。ご注意ください。