クライアントのデザインイメージがふわっとしているときにやること

デザインのイメージを伝えるのも、説明するのも、難しいですよね。クライアントからの希望や要望、イメージって「かっこいい感じで」「ナチュラルなイメージがいいです」「安っぽくならないように」など、めちゃくちゃふんわりしています。これ、デザイナーさんだけではなく、ディレクションやっている人なら、頭ブンブン振りながら読んでくれているのではないでしょうか。

クライアントの思う「クール」と私が思う「クール」は、当たり前ですが異なるわけでして(苦笑)私のイメージするクールで進めてしまうと、必ずといっていいほどうまくいきません。ましてや、デザイナーさんも困ります。

そんなときに、どうしているか?どうすればいいのか?実際にあったことを元にちょっとしたコツみたいなものをお伝えできればと思います。

クリエイティブで、シュッとした感じ

とある企業さまから「noteのヘッダー画像をつくってほしい」というご依頼がありました。ご要望やイメージを伺ったところ、「クリエイティブで、シュッとした感じがいい」とのこと。かなりアバウト(笑)クライアントのイメージはだいたい「ざっくり」しているというのは、あるあるです。

上でも書きましたが、WEBサイトだけではなく、フライヤーやパンフレットなどをはじめて作る、または今まで自分たち(社内)でなんとかやってきた、という場合、デザインの指示が、高確率でざっくりしています。なので、ここから、絞り込んでいく作業が必要です。

ターゲットを明確にする

もう、まずここです。単純に、女性がターゲットなのか、男性がターゲットなのか、または両方なのか、でもかなり違ってきますよね。「ペルソナ設定」ってよくいわれますけど、案外ここをきっちりとやっている企業さんは少ない感じです。以前、自作のペルソナ設定シートを作成して、企業さんにお渡ししたんですが、まーやっていただけないですよね(苦笑)

飲食とか美容関係だと、最初からターゲットやコンセプトも決まっているんですが、そうではない場合。たとえば、美容関係でも、扱っている商品が幅広かったり、地元密着型のものづくり企業さんだと、なかなか難しいです。なので、結局、この部分のコンサルティング的なところをやっていくことになります。もちろん、別料金いただきますよ。

ペルソナ設定は「やらなきゃダメとはわかっているんだけど」と言われるんですよね。わかります。お気持ちは。でもせめて、性別や年齢層くらいは明確にしておかないと、デザインがブレブレになってしまいますので、ヒアリングはしっかりとやっておきたいところです。

写真を使うか?イラストを使うか?

イラストにするのか、写真を使うかで、雰囲気はだいぶ変わりますよね。私はまず、ここを明確にします。親しみやすい感じにするのであれば、手描き(風)イラストが効果的。

とはいえ、ひとえにイラストといっても、いろんなテイストがあるのでしっかり詰めていく必要があります。また、イラストをご希望で自分でイラストを描くスキルがない場合、外注も視野に入れておく必要があります。普段から、いろんなテイストのイラストレーターさんをチェックしておきましょう。

同じ媒体からイメージに近いものを提示してもらう

一番手っ取り早いのは、クライアントがイメージしているデザインに近いものを提示してもらうことです。今回であれば、クライアントがいいなと思う、noteのヘッダーを3つ~5つくらいピックアップしてもらいましょう。

それすらもよくわからないと言われた場合は、とりあえず、こちらが思うイメージを提示します。テイスト違いで5個くらいあればいいでしょうか。で、「この中で「これはイメージと違う」というデザインはどれでしょうか」と問いかけてみましょう。

サイトや雑誌からチョイス

イメージに近いサイトをチョイスするのも有効ですが、雑誌からも選んでもらうのも手です。雑誌も年齢層やターゲットが明確なので、提示しやすいかと思います。

おわりに

今回はnoteのヘッダー画像ということで、比較的、デザイン案としては簡単な部類でした。これが、企業サイトやショップになってくると、クライアントとのすり合わせが何度も必要になります。以前、エステサロンのサイトリニューアルの案件で、ディレクションに入りましたが、元のサイトがあるだけに、逆にイメージがそちらに引きずられてしまい、なかなかデザインが固まらない……ということがありました。

でも、これも、デザイナーさんやWEB制作のディレクションをやっている方であれば、割と日常茶飯事かと思います(苦笑)「すべてお任せします!」という奇特なクライアントは、そうそういません(ゼロではないです)ので、聞くスキルもさることながら、デザインのストック、自分の得意なジャンルやテイストを把握しておく必要があります。「お任せします!」というのは、信じないほうがよいです(苦笑)ほとんどのクライアントが、お任せしてくださいません。

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