今回はわたしが愛してやまない「変則型CDケース」について、書いていきたいと思います。あくまでも、CDを入れる「入れ物(ケース)」としての機能性と、ディテールについてのみ浅く(←ここ強調)考えていきます。
私がコレクター欲をソソられるのは、2枚組以上のケースと変則系なので、ごくごく一般的なケースは当然ながらスルーします。
とはいえ、まずは、基本型から。2枚組で一般的なのは、下のようなタイプ。
紙製のスリーブにCDが2枚おさまっています。筒状で両側から出し入れ可能なんだけど、ぴっちぴちなので、作業としては若干微妙だったりする。
なかのプラスチックケースは、右開きタイプと左開きタイプがあるんだけど、私は断然右開きが好み。最近は、この右開きが主流になっているみたいですけどね。左開きの場合だと、ケースを開く時の流れがスマートじゃないんですよ。まず開く時、毎回ひっかかります。10回中、10回引っ掛かります。構造上の問題なんだろうけど、そこでまず気分が萎えます。(そんなに……?)
あと、こうなんていうか、右開きだと本のページをめくるような感じでそのまま開けるんですけど、左だとつまんで持ち上げて、右に倒さなければいけない。へたすると、つまみ損ねる場合もあります。もう聴くのやめちゃおうかなってなりますよね。(ならないよ……)
これが3枚組で……例えば、Basement Jaxxのシングルコレクション。
合理的といえば、合理的ですが、これだと3枚組ゲームソフトと間違えて、PS5にセットしかねない。しかもCDラックをものすごい勢いで占拠するという。
3枚組の紙ジャケ仕様だと、GLOBALUNDERGROUNDの「afterhours」は優れものです。
CD2枚とROM1枚の全3枚が、それぞれ上部出し入れ式紙ケースに収納。
それらが、右出し入れ式の専用紙製スリーブに収まり、厚さは通常版とほぼ同じというコンパクトさ。素晴らしいではありませんか。
2枚組ではないですが、変わり種でいくと、hotel costesシリーズ。
ちょっとした菓子折り状態。
CDラックにも斜めじゃないと収まらないという、迷惑極まりないタイプです。そして迷惑繋がりだと、やはりFABRICシリーズでしょう。
紙ケースからチラリと見えるアルミ缶ケースをスライド(右出し)させて取り出すという、チラリズム萌え的な趣向(違っ)。ケースを振ると「カタカタカタ」となんとも愛くるしい音で鳴ります。(良い子は真似しないでね!)
開けると、CDが台紙に挟まった状態で収まっていて、ペロッとめくって取り出すという、この一手間さえも楽しい。
しかし、これはまだいいほうで、FABRICシリーズには、紙ケースがもはやケースではなく箱のタイプも存在します。密封されている状態です。
まさに四面楚歌。
紙製だから、扱いに気をつけないと、ボロボロになる危険性も。
ただ、やっぱりスリーブケース仕様になっていると、特別感が半端ないです。もうね、所有欲がムクムクと……。
ところがどっこい。これ以上に、いろんな意味で、リスナー泣かせなCDケースがあることをお忘れではないだろうか。
そう、限定版やBOXセットです。
たとえば、NIRVANAのBOXセット「With the Lights Out」。
ボックスそのものは輸入盤仕様なんだけど、ご安心あれ。中身は日本盤仕様で、日本語解説、英文ライナー対訳、歌詞、歌詞対訳を掲載したブックレット(日本語)もついています。
ボックスの装丁が、これまた豪華で、金属プレートの3パネル・デジブック仕様という、なんとも贅沢な初回生産限定盤。
もうこうなると、当然ながら棚やラックには並べること すらできません。VIP扱いです。
ただただ、所有されることだけを追求したかのようなパッケージに隠された、商業的アイロニーをだまって受け入れるしかない。コレクターの悲しき性……。
ちなみに、初回生産限定盤のNIRVANAのBOXセット、中古であれば結構安く手に入りまっせ。