【タイプ別】プレゼントしたい・されたい写真集7選

写真集って、高いので自分で買うのは躊躇するんですが、だからこそプレゼントされるととってもうれしいモノのひとつです。

今回は、贈る人(もちろん自分用に買うのでもOK!)のタイプ別に、オススメの写真集を7冊ご紹介します。

定番中の定番!ガチの写真好きにあげたい写真集

ROBERT FRANK THE AMERICANS

20世紀でもっとも影響力のある写真家、ロバート・フランクの写真集。1959年に出版された「THE AMERICANS」は、生々しい表現と独創的なモノクロ写真で構成されています。

彼が2年間、アメリカ中を旅して捉えたアメリカ人の陽気さ、嫌悪、憧れ、そして痛みとエキサイティングに溢れた83枚のモノクロドキュメンタリー写真は、圧巻。

最初は評論家たちから非難されたようですが、挑発的でニュアンスのある、彼の写真はすぐに若い写真家たちから支持されました。

そこにあるのは、アメリカンドリームでもなく、ロマンでもなく、夢と現実との隔たりであり、純粋でシンプルに提示されたアメリカです。希望と絶望、自由と制限、孤独。現実とのギャップを探求した写真は、アメリカが何であるのかを、私たちに問いかけています。

The Americans (英語) ハードカバー

ストリートスナップを愛してやまない人にオススメの写真集

藤岡亜弥 川はゆく

2018年に「第43回木村伊兵衛写真賞」と「第27回林忠彦賞」を受賞した広島出身の女性写真家、藤岡亜弥の写真集。

広島はこれまでさまざまな人たちが写真におさめてきましたが、彼女のアプローチはそういったジャーナリズムとは一線を画しています。

原爆が投下されてから、70年以上が経ちましたが、当時の傷跡はまだ残っていて、哀しい記憶として刻まれています。忘れてはならない過去をアピールしながらも、未来への希望を感じさせる写真に、胸が熱くなります。

原爆ドームをとりまく、生命、無垢、なにもない日常、記憶。これらのイメージが、彼女ならではの感度で撮影され、生と死をつなぐ川となって形作られている。

感動的で、不道徳で、うつくしい川が、この写真集には流れているのです。

Vivian Maier Street Photographer

1950年代から1990年代にかけて、ビビアン・マイヤーがフランスからニューヨーク、シカゴ、など十か国で100,000枚以上の写真を撮り、その集大成がこの写真集です。戦後のアメリカ黄金時代の生活をあらゆる側面から、感動的でユーモラスにとらえています。

ベビシッターの仕事をしながら、二眼レフカメラで写真撮影をしていたアマチュア写真家だった彼女は、生前、作品を一度も発表することなく、2009年に亡くなりました。

その後、歴史家であるジョン・マルーフがシカゴのオークションハウスで彼女の膨大なネガを手に入れたことによって、作品がはじめて日の目を見ることになり、彼女の優れたフレーミングと鋭い感性が注目を集めることに。

インターネットのおかげもあって、またたく間に世界中で有名になりました。

その人気は2013年に、『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』という、彼女の生涯を追ったドキュメンタリー映画になるほどです。

Rolleiflexを腰の位置から撮影することで、人に気が付かれずにわずかな瞬間を逃すことなく、日常的な写真を特別なものへと変化させることに成功しています。

写真は終わりに近づくにつれ、衝撃的で刺激的なものへ変わっていきます。彼女がなぜそれを撮影したのか、何に影響を受けたのか、作品の意味を考えさせられる写真集です。

音楽好きな彼氏・彼女にプレゼントするならこの写真集

JIM MARSHALL PROOF(密着)

ビートルズやストーンズ、ジャニスジョプリン、ヘンドリックスなど有名なミュージシャンや俳優、作家などの著名人を撮影したモノクロ写真集。表紙のボブ・ディランに心臓を撃ち抜かれた人もいるはず。

マーシャルは、スタッフやマネージャーなど誰にも干渉されることなく、ステージ上でアーティストの写真を無限に撮影できました。被写体がいかに彼を信頼していたのかが、その表情や無防備さから見てとれます。

彼の作品には、被写体の魂と気分をとらえる力があります。それはエンタテイナーと親密さの両方を確立していたからなんでしょうね。

おもしろいのは、コンタクトシートが公開されていること。伝説的写真家の舞台裏というか、創造的なプロセスを垣間見れます。

彼がなにを感じ、なにを見て写真を選んだのか?その洞察を考えるのも楽しい、すべてにおいてゴージャスな写真集です。

建築士や建物フェチにオススメの写真集

John Pawson A Visual Inventory

イギリスの建築家、JohnPawsonが旅行中に撮影した写真を中心に構成された写真集です。建築家が、何にインスピレーションを受けて、どのような世界をみているのかを垣間見れます。

光や質感の捉え方がすばらしく、不思議なことに穏やかな色彩でありつつ、力強さを感じさせます。

シンプルななかに隠された複雑な特徴が、徐々に見えはじめると、きっと夢中になります。

写真は一切トリミングされていないので、構図の勉強にも最適だと思います。建築家だけではなく、ミニマリストにもおすすめしたい一冊。

ファッションやポップな写真がすきな人にはこの写真集がおすすめ

Ptephen Shore Uncommon Places The Complete Works

6歳から写真について学び、14歳の頃に二ューヨーク近代美術館(MoMA)に自ら売り込んで、3枚の作品がコレクションされることになりました。(すごっ!)

さらに、1965年~1967年まで、アンディウォーホルのスタジオの常連になり、24歳でメトロポリタン美術館での個展を開催します。まさに、写真を撮るために生まれてきた天才のような人です。

強いメッセージ性を感じる写真ではないのですが、好奇心にまかせて撮影された構図は魅力的ながらも、ときに時代遅れなアプローチであり、ゆえに正直です。

ホテルの寝室や人気のない駐車場、脇道の建物は、典型的な被写体だし、かつ曖昧で彼の個人的な重要性でしかないんですが、どういうわけか奇妙な色彩のうつくしさを感じます。

直感的であるがために、感傷的ではない、明快な写真が凝縮された一冊。

文学オタクにはこの写真集

堀江敏幸 目ざめて腕時計をみると

堀江敏幸さんの文章が好きだということもあるけど、それを抜きにしても、小説家が撮る写真ってどういうものなんだろうという興味で購入。

全編モノクロでまとめられています。独特の審美眼で撮影された写真は、どこか幻想的で、まどろみの中にいるような感覚に。

堀江さんのナイーブなやさしさが感じられ、なんでもない日常を、少しだけ非日常に、夢と現実の境界をみせてくれる。

呼吸をするように撮影された写真は、まるで堀江さんの文章を読んでいるようだと思いました。

まとめ

写真集は基本的に高いので慎重に選びたいですし、失敗はしたくないものです。かといって、プレゼントにするなら、センスのいいところもみせたいって人は、今回の記事を参考に選んでみてはいかがでしょうか。

誕生日やバレンタインのお返し、特別な記念日にちょっと趣向を変えて写真集をプレゼンすると一目置かれること間違いなしです!(たぶん)

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