猫が謎の腎機能低下から劇的に回復|血液検査の結果と効果のあったフード

寝ているうちの猫チョキ

こんな人に読んでほしい!

  • 猫の腎臓機能低下について知りたい
  • 腎臓ケアに効果のあった猫用フードを知りたい
  • 飼い猫が食欲不振で悩んでいる

今年の6月、うちの猫が急な体調不良になり、血液検査やレントゲン、超音波検査をしたところ腎機能がかなり低下していて、腎臓に何かしらの異常が起こっていることがわかり現在も治療中です。

ただ、大変ありがたいことに経過は順調で、体重は増えないものの(減ってもいない)8月23日の時点でかなり正常値に近づいてきました。

で、思ったのが高齢の猫を飼っている人にとって、定期的な健康診断や適切なフード選びって重要な課題なんだなと。猫の負担や飼い主の不安が少しでも減るよう、症状や検査の経過、効果のあったフードなど実際の検査結果を見ながらお伝えしていきます。

私たちとチョキの経験が少しでも参考になれば幸いです。

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最初の兆候

6/2:明け方の4時~5時くらいにフードをそのままの状態で吐く。(この時間に排便)以降、フードを食べたのは吐く前のみ。

6/3:午前中に3回嘔吐。ただ、そのあとは苦しそうでもなく、ぐったりもしていない。(だけど、なんとなく元気がない)

同日、さらに14時ごろに1回、15時ごろに1回嘔吐。食べていないので、白い泡のような胃液のようなものを吐く。

飼い猫が吐いた白い胃液みたいな泡

食べたそうにフードをみるけど、やはり食べない。水もほとんど飲めていなかったと思う。その日の夕方、病院へ連れていき血液検査、レントゲン、超音波検査をすることに。

参考までに今、思い返すと以下のような症状がありました。

  • おしっこの量が増える
  • 水をよく飲むようになる
  • 食欲が落ちる・少食になる
  • 新鮮なフードしか食べなくなる
  • 寝ている時間がいつもより多い(とはいえ、ぐったりはしていない)

左側の腎臓に異常

6月3日に受けた血液検査の結果がこちら↓↓

猫の血液検査結果
2024/6/3猫の血液検査結果

見てわかるようにBUN、クレアチニン、SAAが異常な数値……!

  • 「総タンパク質8.4(正常値5.4~7.8)」
  • 「BUN(血中尿素窒素)75.7(正常値17.6~32.8)」
  • 「クレアチニン4.61(正常値0.9~2.1)」
  • 「SAA72.90(正常値5.49以下)」

ただ、腎不全だったりすると、上記項目以外にナトリウム・カリウム・リンなどといった数値にも異常がみられるんだけど、これらの数値はまあ、許容範囲内。これには先生もちょっと判断に困っていました。腎不全までいかないかもだけど、ウィルスとかなにかしらが腎臓に悪さをしている。といった感じでした。

クレアチニンとは?

血液中に放出され、主に腎臓によって尿として体外に排出される老廃物。クレアチニン濃度が高いと、腎機能が低下している可能性があり、腎臓が正常に老廃物を処理できなくなっていることを示す。

「SAA」とは?

主に炎症や感染症の際に肝臓から急激に増加する反応物質とのことで、数値が高いと以下のことが考えられるそうです。

  • 感染症(細菌性、ウイルス性)
  • 自己免疫疾患
  • 外傷後
  • 腫瘍性疾患

SAAの数値も爆上がりだったことから、レントゲンと超音波検査の検査をしたところ左の腎臓でなにかしら起きていることがわかりました。さらに原因を特定するには、針をさして採取した細胞を検査機関に出す必要があると言われました。

獣医師の検査結果の見解(手書き)

これだけでみても、リンパ腫やがんの可能性があるので、一応覚悟はしておいてくださいと言われ思わず泣きそうに。

積極的治療をしていくか、対症療法(点滴、吐き気止めなど)をしていくか……。急なことでどうしてよいかわからず、決められませんでした。

今できる治療としては、血液中の老廃物や毒素を体内に貯めないようにすること。脱水を予防しながら尿量を増加させ老廃物を体外へ排出させる必要があるということで、この日は一旦、皮下点滴と吐き気止めの注射をしていただき、一週間後の検査結果でどうしていくか決めましょうということになりました。

診察後、食事療法のアドバイスとフードのサンプルをいただいて帰宅。

翌日6/4のチョキの様子。

病院で診察翌日の猫の様子

ぐったりすることはなかったけど、ちょっとしんどそうでした。ただ、点滴と吐き気止めが効いたのか、サンプルのフードも少し食べて、お水も飲んで、うんちもしてくれたので一安心。

腎臓病の猫に最適なフードの選び方

動物病院でもらった腎臓ケアフードのサンプル

動物病院の先生にどんなフードを選べばいいのかを教えてもらい、ドクターズケアのキドニーシリーズとロイヤルカナン腎臓サポートシリーズのサンプルをそれぞれ3袋ずついただきました。

どれも食べてくれたんだけど、より食いつきがよかったドクターズケアのキドニーケアプラス(チキン)をインターネットでさっそく購入することにしました。

フード選びのポイントとしては、まずはなにはともあれ猫が好む味を選ぶこと。次にカロリーを確認し、体重維持に適したものを選ぶことです。また、ドライフードとウェットフードのどちらを選ぶかも、猫の食べやすさを考慮して決めるといいですね。

うちの猫はウェットフードが苦手なのでカリカリ一択ですが。

ロイヤルカナン腎臓サポート3種類を比較

ロイヤルカナン腎臓サポート(ドライ)には3種類あって、ちょっとわかりにくいので、表にまとめてみました。ロイヤルカナンの原産国はフランスです。パッケージが洒落ていますよね。

スクロールできます
ロイヤルカナン腎臓サポート腎臓サポートセレクション腎臓サポートスペシャル
特長リンの含有量を制限し、高消化性のタンパク質を使用
猫が好む香りで食欲を刺激し食欲低下に配慮
リンの含有量を制限し、高消化性のタンパク質を使用
食べやすいふたつの食感で食欲を刺激
リンの含有量を制限し、高消化性のタンパク質を使用
猫が好む香りと独自のキブル(粒)の形で食欲を刺激
成分
(保証分析値)
たんぱく質:21.0%以上
脂質:15.0%以上
粗繊維:5.6%以下
灰分:6.5%以下
水分:6.5%以下
たんぱく質:22.5%以上
脂質:19.0%以上
粗繊維:5.6%以下
灰分:7.3%以下
水分:  6.5%以下
たんぱく質:24.0%以上
脂質:15.0%以上
粗繊維:5.8%以下
灰分:6.8%以下
水分:6.5%以下
カロリー含有量
(代謝エネルギー)
392 kcal/100g411 kcal/100g392 kcal/100g
価格1,701円~2,150円~1,827円~

「猫が好む香り」にこだわっているだけあって、うちの猫も食いつきのがよかったです。3つとも、リンの含有量が制限されていて、高消化性のたんぱく質が使用されているので安心ですね。

ロイヤルカナン腎臓サポートスペシャルの「キブルの形」とは三角みたいな感じの粒になります。

引用元:ロイヤルカナン公式「腎臓サポート スペシャル ドライ」

3種類あるので、購入の際には間違えないように気をつけてくださいね。また、食べなかったときのことを考えて500gからはじめてみるのがいいかと思います。

「粒が大きい」「便秘が改善した」などの口コミがあるので、「口コミを見る」をクリックして参考にしてみてください。

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ドクターズケアのキドニーケアシリーズ3種類を比較

サンプルでいただいたのは「キドニーケア(フィッシュ)」「キドニーケア(チキン)」「キドニーケアプラス(可溶性繊維)」の3種類。キドニーケアは日本産です。なんとなく安心しますよね。

スクロールできます
ドクターズケアキドニーケア
チキン
キドニーケア
フィッシュ
キドニーケア
プラス
特長・リンを制限
・たんぱく質を制限
・オメガ3脂肪酸(EPA+DHA)を強化
・腸内環境に配慮して可溶性繊維(フラクトオリゴ糖)を配合
・リンを制限
・たんぱく質を制限
・オメガ3脂肪酸(EPA+DHA)を強化
・腸内環境に配慮して可溶性繊維(フラクトオリゴ糖)を配合
・腸内環境の健康維持に配慮して可溶性繊維(サイリウム・フラクトオリゴ糖)を配合
・腎臓の健康維持に配慮してオメガ3脂肪酸(EPA+DHA)を強化し、抗酸化成分(ビタミンE・C、セレン酵母)を配合
・リンを制限
・たんぱく質を制限
成分(標準値)たんぱく質:23.5%以上
脂肪:20.0%以上
粗繊維:4.0%以下
粗灰分:7.5%以下
水分:10.0%以下
カルシウム:0.5%以上
リン:0.3%以上
ナトリウム:0.1%以上
マグネシウム:0.1%以下
タウリン:0.1%以上
たんぱく質:23.5%以上
脂肪:20.0%以上
粗繊維:4.0%以下
粗灰分:7.5%以下
水分:10.0%以下
カルシウム:0.5%以上
リン:0.3%以上
ナトリウム:0.2%以上
マグネシウム:0.1%以下
タウリン:0.1%以上
たんぱく質:22.5%以上
脂肪:16.5%以上
粗繊維:4.0%以下
灰分:7.5%以下
水分:10.0%以下
カルシウム:0.59%以上
リン:0.37%以上
ナトリウム:0.24%以上
マグネシウム:0.08%以下
タウリン:0.22%以上
代謝エネルギー426kcal/100g423kcal/100g399kcal/100g

可溶性繊維は、便秘のケアによく使用される原料で、キドニーケアプラスのみフラクトオリゴ糖にくわえ、「サイリウム」という可溶性繊維源の原料が使われています。腎臓病性の脱水による便秘に配慮しているみたいです。

キドニーケアシリーズは、ペットラインの公式サイトで買うほうが送料をいれても安いです。

ペットライン株式会社:どうぶつ病院宅急便

会員登録や動物病院コードが必要だったりして、ちょっと手間なのですが、公式以外で購入するのはあまりおすすめしません。

腎臓病に適したフードの特徴

腎臓病の猫に適したフードは、低リン・低タンパク質であることが重要です。リンの摂取を制限することで、腎臓への負担を軽減し、病気の進行を遅らせることができるといわれています。また、タンパク質の量も控えめにすることで、腎臓がタンパク質を処理する際の負担を減らします。

私が獣医師にすすめられたのは、上で紹介したキドニーケアシリーズとロイヤルカナン 腎臓サポートシリーズですが、それ以外だとヒルズ プリスクリプション・ダイエットのk/dがあります。これらの製品は、猫の健康状態に合わせた栄養バランスが整えられているので、食欲不振の改善にも役立つとのこと​。

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ヒルズ プリスクリプション・ダイエットのk/dは「一番食いつきがよい」という口コミが多いなか「食べるけど下痢になってしまう」という人がいました。

ロイヤルカナンと併用しているという人もちらほらいるので、口コミを参考にしつつ獣医師と相談してみてくださいね!

食欲不振の原因とその対策

腎臓の病気が原因で猫がフードを食べなくなるのは珍しくないそうです。これは腎臓の機能が低下することで、体内の老廃物がうまく排出されず、食欲が低下するからで、食べたくても気持ちが悪くて食べられないのだそう。

猫がフードを食べてくれない場合、フードを温めると匂いが強くなって、食欲を刺激することができます。また、ウェットフードにすることで水分補給にもつながり、腎臓への負担を軽減する効果があります。

猫がフードを食べない(食いつきが悪い)場合の対策

フードを温めても食べない場合、フードの種類を変更することを考えましょう。新しいフードを導入する際は、少しずつ切り替えることで猫の胃腸への負担を減らします。

また、獣医師と相談しながらにはなるけど、適切なサプリメントや栄養補助食品を取り入れることも効果的。食事量が維持できるようサポートしてあげるのもありですね。

低下した腎機能、その後の経過

6/10~7/3まで一週間毎に皮下点滴のため通院し、途中で血液検査や超音波検査をしながら経過を観察。

だいぶ正常値に近づいてきた7/22の血液検査の結果がこちら↓↓

7/22の猫の血液検査の結果

なんとクレアチニンの数値が2.55まで下がり、先生からももう大丈夫でしょうということで一週間毎の通院治療を一旦ストップし、月一の定期検査になりました!

それから約一ヶ月後の血液検査の結果がこちら↓↓

2024/8/23猫の血液検査結果

順調の数値が落ち着いてきています。ただ、体重は増えていません。

とはいえ、先生も驚くほどの回復!おそらく、フードの効果が出ているだろうということで、このままキドニーケアプラスを続けて、定期通院で経過をみていきましょうということになりました。

え?キドニーケアプラス、すごい……!フードでこんなに改善されるなんて。やはり口から直接いれるものって大事。アレルギーのときもそうだったけど、こんなに劇的に改善されるとは思っていなかったので私も夫さまも驚いています。

最初の検査から約一週間後の6/10の検査結果と8/23の検査結果を、比較しやすいように表にしてみました。

※横にスクロールできます
検査項目
正常値
2024年6月3日
2024年8月23日
PCV(血球容積)
32~45
46
43
総タンパク質
5.7~7.8
8.4
測定不可
電解質
ナトリウム
147~156
155
155
カリウム
3.4~4.6
4.5
4.3
クロール
107~120
117
113
腎機能
BUN(血中尿素窒素)
17.6~32.8
75.7
38.9
クレアチニン
0.9~2.1
4.61
2.21

関連記事:猫がフードをそのまま吐いてしまう原因はアレルギーでした

おわりに

まだまだ完治したわけではないですし、なかなか体重が増えてくれないという心配もあるし、おそらくこれから先、年齢的にもこれ以上腎臓の状態が良くなることはないのかなあと思っていて。そう考えると、腎臓病の猫の治療は長期間にわたることが多く、病院代もかさみがちです。

いまさらですが、猫の負担や病院代を抑えるためには、定期的な検査を受けて病気の早期発見を心がけることが大切だなと思いました。また、ペット保険を活用することで、突然の出費にも対応しやすくなるので、検討してもいいのかもしれない。うちはもう10歳を超えているので、保険の加入は無理だけど。

飼い主として、猫の健康を守るために日々のケアや観察を怠らず、獣医師との連携を大切にしながら最適な治療を続けていこうと思います。

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